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タカタ財団 第7回 助成研究報告会 開催

平成28年6月7日(火)、『タカタ財団 第7回 助成研究報告会』が、国際文化会館(東京・六本木)に於いて開催され、平成27年度に助成した研究テーマについて、8名の研究者から多岐に渡る研究成果が報告されました。

当財団は、交通安全の研究、特に人的な側面からの研究を支援することにより、多くの人と共に交通事故犠牲者ゼロの夢に一歩ずつ近づいていきたいとの思いから平成20年12月に設立され、事業活動のコアとなるクルマ社会における「人」の安全に関する研究を公募助成し、研究活動の成果をよりアピールさせる場として『タカタ財団助成研究報告会』を開催しています。

開会の挨拶をする高田暁子理事長

注目された発表テーマに、新潟医療福祉大学 医療技術学部 作業療法学科 助教 外川 佑氏の「軽度半側空間無視症例を対象とした危険運転予測評価システムの開発・検証と運転行動の分析」と題する研究があり、脳卒中後の後遺症を持った人の自動車の運転再開という問題解決に取り組んでいます。

公益財団法人 タカタ財団 第7回 助成研究報告会 会場の様子

脳梗塞や脳出血が原因で、大脳の右半球を損傷した場合、左側の空間から刺激を与えても、それに対してきちんと反応できない状態になる『半側空間無視症例』では、目は見えていても、左側から提示された視覚情報が脳内できちんと処理されないために、何を見た、どこにあったという認識がされにくくなります。

軽症例では、生活の行動範囲拡大や自立に繋げるために、運転復帰を目指して自動車運転評価を実施することがあり、代表的なペーパーベースの机上検査である行動性無視検査BITや日常生活の観察において異常はほとんど検出されないことが多く、ドライビングシミュレータや実車運転において初めて左空間の無視症状(走行時の左側への偏位、左側車輪の脱輪や車両の接触などの危険)が観察されており、危険運転との強い相関が疑われています。

この為、外川氏は、現在開発中の軽度半側空間無視症例の人の危険運転予測評価を客観的にできるシステム=ドライビングシミュレータのソフトの完成を目指しており、それが病院や免許センターなどに実際に導入され、運転の可否がきっちりと線引きされる状況が生まれ、そこから、安全な運転再開を支援するためのより有効なリハビリや、クルマに付ける新しい安全運転支援装置が生まれていくことを望まれています。この検査ツールの開発により、脳卒中後の危険ドライバー輩出を抑制するといった交通安全面の効果や安全運転支援のためのリハビリ、安全運転支援装置の開発といった支援基盤の確立・向上に繋げることが出来るとの報告がありました。

新潟医療福祉大学 助教 外川 佑氏による研究報告
新潟医療福祉大学 助教 外川 佑氏による研究報告

助成研究テーマ名 & 研究報告者(報告順)

◆交通シーンのエピソード記憶に基づく安全予測モデルの構築
 秋田県立大学 准教授 間所洋和氏

◆Web調査による高速道路における逆走発生仮説の検証
 大阪大学大学院 准教授 飯田克弘氏

◆小児医療関係者のためのチャイルドシート・ジュニアシート着用に関する教育ツールの開発
 都立小児総合医療センター 医長 井上信明氏

◆軽度半側無視症例を対象とした危険運転予測評価システムの開発・検証と運転行動の分析
 新潟医療福祉大学 助教 外川 佑氏

◆緑内障などの眼疾患による視野障害からの交通事故リスク推定法の確立
 東京大学附属病院 特任講師 朝岡 亮氏

◆軽度認知機能障害を内包する第二分類高齢ドライバの不適切な判断能力の特徴と予防安全方策
 東京大学大学院 准教授 小竹元基氏

◆脳特性と歩行能力計測による高齢歩行者の交通事故リスク要因の特定と個人対応型事故対策
 高知工科大学 准教授 中川善典氏

◆高齢者の交通事故傷害予測モデル開発と歩行中および自転車乗車中の傷害予測
 芝浦工業大学 教授 山本創太氏

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