交通安全コラム

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道路交通情報工学(18)―合衆国のETC事情(続き)―

前回は、世界最初に料金所を無くしたカナダのETCと、合衆国北東部のE-ZPassを紹介した。
今回は、合衆国のその他の主要な地域のETCを見ていく。

◆カリフォルニアはFasTrak
合衆国では、北東部の15州にまたがる最大規模のETCシステムであるE-ZPass以外に、人口の多い州でETCが普及している。最大の人口3700万を擁するカリフォルニア州では、サンフランシスコ湾周辺、ロスアンゼルス南のディズニーランドのあるオレンジ郡と州南端のサンディエゴ地域でそれぞれのシステムが構築されているが、それらはFasTrakとして互換的に運用されている。

◆ゴールデンゲートブリッジもFasTrak
サンフランシスコのベイエリアでは、有名なゴールデンゲートブリッジを含めて8か所の橋が有料で、一部の道路も含めてETCが使われている(図1、2)。橋の料金所にはFasTrak専用のレーンが設けられているが、道路では減速の必要がないフリーフローである。車載器は、フロントガラスに貼り付けるコンパクトなもので、地上機器からの発信に応答するパッシブ方式である。

サンフランシスコ ベイエリアの有料の橋と道路
ゴールデンゲートブリッジの料金所

◆クレジットでは自動チャージ
ゴールデンゲートブリッジの料金は現金払いでは7ドルであるが、FasTrak利用では6ドルとなる。他の橋は5ドルであるが、FasTrak利用で2人以上の乗車では2.5ドルとなる。クレジット契約では、車載器は無料であるが、申し込み時に最低25ドルの前納が必要で、チャージ金額が15ドルを下回ると、自動的に月平均利用金額がチャージされる仕組みである。

◆テキサスはTxTag
カリフォルニア州に続く人口2480万人のテキサス州でも、ダラス、ヒューストン、オースチンその他の大都市周辺の有料道路で、3つのETCシステムがTxTagの代表名称で互換的に利用されている。車載器は、薄いステッカーでパッシブ式、前納金20ドルが必要であるが、13.85ドルで購入できる。現金払いができない道路があり、そこではナンバープレートを認識して後日料金が請求される。

◆フロリダはフリーフロー
既に紹介したE-ZPassが使われる人口3位のニューヨーク州に続く、人口4位の1850万人のフロリダ州でも、3つのETCシステムがSunPassの代表名称で互換的に利用されている。前納金と最低残高の扱いはFasTrakと似た方式で、車載器は、パッシブ方式で、わずか4.99ドルのステッカータイプの運用も始まっている。すべて料金所のないフリーフロー方式で、車載器がない場合はナンバープレートを認識して後日料金が請求される。

今回は、前回の合衆国北東部に続いて、それ以外の主要な地域のETCシステムの概要を紹介した。
次回は、高度道路交通システム(ITS)を紹介して、道路交通情報工学のまとめとしたい。

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