交通安全コラム

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道路交通情報工学(17)―カナダのETCと合衆国のETC事情―

前回は、重量貨物車に対し、一般道も含め課金を行ったスイスとドイツのETCを紹介した。
今回は、世界で最初に料金所を無くしたカナダのETCと、合衆国のETC事情を紹介する。

◆世界初の料金所のないETC
カナダのトロントでは、市内の渋滞を緩和するため、1997年に幹線道路と並行する高速道路407号線にETCを導入した。この407 ETRは、減速が必要な料金所がなく、料金収受をETCのみで行う世界初のシステムである。5トン以上の重量車両には、地上施設と電波で交信する車載器の搭載が義務付けられている。

◆198の二連ガントリー
軽量車両には、バックミラーに取り付けるコンパクトな車載器が、一か月約340円か、年間約2150円でレンタルされる(図1)。料金所の代わりに、課金・車種判別のための機器を設置したガントリーと違反車両の監視・撮影用機器類を設置したガントリーとがセットで198か所に設けられている(図2)。

図1 車載器
図2 フリーフローを可能にする二組のガントリー

◆きめ細かい料金体系
料金体系は、定額の利用料約80円+走行距離比例式であるが、係数は、車種、エリア、時間帯によってきめ細かく決められている。普通車の場合、混雑エリアの通勤集中時間帯はキロ当たり約30円で、集中前後の時間帯では約28円である。非混雑エリアではそれぞれが約1.5円安くなる。日中は、エリアに無関係に約24円、夜間は同じく約19円となっている。車載器非搭載の車両には1ヵ月分のレンタル料と、自動カメラ撮影手数料約395円が徴収されるのは興味深い。

◆合衆国は地域毎のシステム
アメリカ合衆国では無料の自動車専用道路が大多数ではあるが、一部の道路や橋では通行車両に課金が行われ、ETCが導入されている。国土が広大なためシステムの統合は行われておらず、地域ごとに独自のシステムとなっている。しかし、それぞれの地域は、他の多くの国では一国に相当する広い領域であり、それぞれの内部では幾つかのシステムが統合されてきている。

◆北東部はE-ZPass
最大のシステムは、ニューヨーク州、ニュージャージー州を中心とし、西はイリノイ州、北はメーン州、南はノースカロライナ州までを含む東北部15州の25社が、料金所の処理能力向上による渋滞緩和や、周辺道路団体の料金所と互換性をもたせることを目的として導入したE-ZPassである。料金所には専用レーンが設置され、電池を電源とする小型車載器は電波で交信するアクティブシステムである。料金体系は、均一と距離比例があり、ETC利用で割引が適用される。

今回は、世界で最初に料金所を無くしたカナダの407 ETRと、合衆国のE-ZPassを紹介した。
次回は、合衆国のETCの紹介を続ける。

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